|
●News Letter の発行 弊所では中国の法整備などの最新情報を「News Letter」という形で発行させていただいております。最新情報を公開させていただきますので、ご参考いただければ幸いです。もし、更に詳細に又は他に何か必要な情報がございましたら、どうぞご連絡いただければ幸いです。 ************************** <最新newsletter> 北京市高級人民法院 行政判決書 (2006)高行終字第470号 (2007年4月25日) 中科専利商標日本事務所 CHINA SCIENCE PATENT & TRADEMARK AGENT LTD Feb. 16, 2007, ************************** 中華人民共和国北京市高級人民法院 行政判決書 (2006)高行終字第470号 上訴人(原審原告) (英国)科万商標投資有限公司(FALMER INVESTMENTS LTD.)、 住所地:英領バージン諸島トートラ島ロードタウン ウィッカムズI オマール・ホッジ・ビルディング3階,私書箱362(3rd Floor, Omar Hodge Building, Wickhams Cay I, P.O.Box 362, Road Town, Tortola, British Virgin Islands)。 法定代表者 李綺蓮、総経理。 受任代理人 王雄傑、深?市雄傑専利商標代理有限公司専利代理人。 受任代理人 徐静、広東東方金源弁護士事務所弁護士。 被上訴人(原審被告) 中華人民共和国国家知識産権局専利復審委員会 (日本の審判部に相当) 住所地:中華人民共和国北京市海淀区北四環西路9号銀谷大厦10-12階。 法定代表者 廖涛、副主任。 受任代理人 耿博、該委員会審判官。 受任代理人 王偉艶、該委員会審判官。 原審第三者 仏山市順徳区信達染整(染色整理)機械有限公司、 住所地:中華人民共和国広東省仏山市順徳区倫教街道北海工業区建業路北7号。 法定代表者 辺進良、董事長。 受任代理人 林建軍、北京金之橋知識産権代理有限公司弁理士。 受任代理人 朱黎光、北京金之橋知識産権代理有限公司弁理士。 上訴人である(英国)科万商標投資有限公司(以下、科万公司)は、意匠権無効に関わる行政紛争事件において、中華人民共和国北京市第一中級人民法院(2006)一中行初字第539号の行政判決を不服として、本院に上訴を提起した。本院は、2006年10月17日に受理の後、法に従い合議体を構成し、2006年12月6日に公開裁判を開き審理を行った。上訴人科万公司の受任代理人である王雄傑及び徐静、被上訴人国家知識産権局専利復審委員会(以下、専利復審委員会)の受任代理人である耿博及び王偉艶、原審の第三者仏山市順徳区信達染整機械有限公司(以下、信達公司)の受任代理人である朱黎光が出廷した。本件はすでに審理を終了した。 北京市第一中級法院は以下のように認定した。名称を「染色機(K)」とする意匠専利(以下、本意匠)は、科万公司が2002年8月6日に国家知識産権局に出願し、2003年3月26日に権利付与公告されたものである。2005年2月18日、信達公司は、本意匠が「中華人民共和国専利法」(以下、専利法)第二十三条及び「中華人民共和国専利法実施細則」(以下、専利法実施細則)第十三条第一項の規定に合致しないとして、専利復審委員会に無効宣告請求を申し立て、かつ、本意匠権の付与が実施細則同条同項の規定に合致しないことを証明するため、02333397.9号、02333399.5号、02333400.2号、02333501.7号意匠を提出した。前記引用文献の出願日はすべて2002年8月6日、意匠権者もすべて科万公司である。2005年12月12日、専利復審委員会は、本意匠と02333397.9号意匠が類似する意匠であり、本意匠権の付与は専利法実施細則第十三条第一項の規定に合致しないとして、第7859号審決(以下、第7859号審決)を行い、本意匠権の無効を宣告した。 北京市第一中級法院は以下のように思料した。「審査指南(審査基準)」第一部第三章第4.5.1節の「判断原則」では、「同様の意匠」とは二つの意匠が同一又は類似であることを指すと規定している。この規定は、専利法実施細則第十三条第一項の立法目的に完全に合致している。科万公司の「同様の意匠は同一の意匠のみを指す」との主張は専利法に対する曲解であり、前記立法の趣旨に合致しない。本意匠と第02333397.9号意匠の対応図面を比較してみると、本意匠と第02333397.9号意匠の染色機の左右正面図は完全に同一であり、両者の差は、本意匠が前面に三組の角形窓と円形窓からなる窓があるのに対し、第02333397.9号意匠では前面に二組のこのような窓があり、よって本意匠の染色機が第02333397.9号意匠の染色機に比しやや広幅となっていることである。本意匠と第02333397.9号意匠の全体は共に長方体であり、頂面には共に階段とこれに対応する斜面があり、背面には共に円弧状突起があり、前面の下部は共に円弧形となっている。上部の窓のデザインを見ると、各組の垂直窓の形状及び配置は完全に同一であって、ただその数が三組と二組と異なるに過ぎないことがわかる。従って、一般消費者が二者の外観を見る時、二者の全体に存在する前記同一点に主要な印象が残り、二者の前面の窓の数及びそれによってもたらされる幅の違いを看過しやすい。すなわち、二者の差が製品全体の視覚的効果に対して顕著な影響がなく、従って、本意匠と第02333397.9号意匠とは類似の意匠に属する。 北京市第一中級人民法院は、「中華人民共和国行政訴訟法」第五十四条第(一)項に基づいて、専利復審委員会第7859号審決を維持すると判決した。 科万公司は原審判決を不服として本院に上訴を提起し、原審判決及び無効審決を取消し、本意匠権の有効性を維持するよう請求した。その理由は次の通りである。「一、専利復審委員会が無効審決をなした手続きは違法であり、原審判決が無効審決を維持するとしたことは不当である。専利復審委員会は、上訴人に対し告知の職責を尽くして当事者が相応の選択ができるようにすべきであった。専利復審委員会は本意匠と第02333397.9号意匠が権利の重複付与を構成するというが、意匠権者にその旨告げていない。二、無効審決の法的根拠が誤っている。専利法及びその実施細則は、同一人が同一日に出願した関連する意匠が権利の重複付与に属するとは規定していない。「審査指南」の「同様の意匠とは、同一又は類似の意匠を指す」との規定には法的根拠がない。本件意匠権は権利の重複付与に該当する。」 専利復審委員会及び信達公司は原審判決に従うと表明した。 本院が審理を経て明らかにした事実は以下の通りである。名称を「染色機(J)」、「染色機(K)」、「染色機(L)」、「染色機(M)」、「染色機(N)」とする意匠は、科万公司が2002年8月6日に国家知識産権局に出願した。意匠登録番号は02333397.9、02333398.7、02333399.5、02333400.2、02333501.7である。うち、「染色機(M)」は2003年2月5日、「染色機(J)」、「染色機(K)」、「染色機(L)」、「染色機(N)」は2003年3月26日に権利付与公告がなされた。本件に関わる「染色機(K)」の意匠(すなわち、本意匠)には、正面図、底面図、平面図、後正面図、斜視図、左正面図、右正面図(図面1参照)が付されている。 2005年2月18日、信達公司は前記5件の意匠は専利法第二十三条及び専利法実施細則第十三条第一項の規定に合致しないことを理由として、専利復審委員会に無効宣告請求を申し立て、かつ、前記5件の意匠権付与が実施細則同条同項に合致しないことを証明するため、引用文献5点を提出した。引用文献5点とは、科万公司の第02333397.9号「染色機(J)」(図面2参照)、第02333398.7号「染色機(K)」(すなわち、本意匠)、第02333399.5号「染色機(L)」(図面3参照)、第02333400.2号「染色機(M)」(図面4参照)、第02333501.7号「染色機(N)」(図面5参照)意匠である。 2005年11月16日、専利復審委員会は口頭審理を行った。審理の過程において、専利復審委員会が科万公司に対し「本件に関わる5件の意匠はいずれも無効審判手続き中であり、本意匠とその他4件の意匠が同一又は類似として権利の重複付与と認定され、無効を宣告される可能性がある場合、これらの内一又は複数の意匠権を選択又は放棄するか」と尋ねた際、科万公司はいずれの意匠権も放棄しないと宣言した。 同年11月23日、科万公司は専利復審委員会に対し書面にて前記5件の意匠権のいずれも放棄しない旨表明した。 2005年12月12日、専利復審委員会は第7859号審決を行い、次のように認定した。「信達公司が提供した第02333397.9号、名称『染色機(J)』、意匠権者を科万公司とする意匠は、本意匠と同一の意匠権者が同一日に出願した意匠であり、該意匠と本意匠は同様の意匠に属するので、本意匠の権利付与は専利法実施細則第十三条第一項の規定に合致しない。よって、専利復審委員会は本意匠権の無効を宣告する。」 この外、2005年12月12日、専利復審委員会は第7858号無効審決、第7860号無効審決、第7861号無効審決、第7862号無効審決(以下、第7858号審決、第7860号審決、第7861号審決、第7862号審決と称する)を行った。うち、第7858号審決は、第02333397.9号、「染色機(J)」、意匠権者を科万公司とする意匠権を無効とした。該意匠権を無効と認定する引用文献は本意匠である。第7860号審決は第02333399.5号、「染色機(L)」、意匠権者を科万公司とする意匠権を無効とした。該意匠権を無効と認定する引用文献は本意匠である。第7861号審決は、第02333400.2号、「染色機(M)」、意匠権者を科万公司とする意匠権を無効とした。該意匠権を無効と認定する引用文献は、第02333501.7号、「染色機(N)」、意匠権者を科万公司とする意匠である。第7862号審決は、第02333501.7号、「染色機(N)」、意匠権者を科万公司とする意匠権を無効とした。該意匠権を無効と認定する引用文献は、第02333400.2号、「染色機(M)」、意匠権者を科万公司とする意匠である。第7858号審決、第7860号審決、第7861号審決、第7862号審決が本件に関わる意匠を無効としたのは、いずれも権利付与が専利法実施細則第十三条第一項に合致しないとの理由によるものである。 前記の事実は、本意匠の公報、第7858号審決、第7859号審決、第7860号審決、第7861号審決、第7862号審決、及び、02333397.9号、02333399.5号、02333400.2号、02333501.7号の意匠権登録公報、口頭審理記録表、科万公司が提出した書面での声明、当事者の陳述等の証拠によって証明される。 本院は以下のように思料した。専利法第九条は「二以上の出願人がそれぞれ同様の発明について特許を出願した場合、特許権は最も早く出願した者に付与される」と先願主義について規定している。すなわち、異なる主体が相前後して同様の発明について出願した場合、先に出願した者にのみ権利が付与される。専利法実施細則第十三条第一項は「同様の発明には一の特許権しか付与されない」と規定している。この一項は、権利の重複付与禁止の原則を規定したものである。すなわち、異なる主体に対する権利重複付与を許さず、また同一主体に対しても権利を重複付与してはならないことを示す。「審査指南」第一部第三章第4.5.1節の判断原則は「同様の意匠とは、二つの意匠が同一又は類似していることを指す」としている。「審査指南」の前記規定に従うならば、異なる主体か同一の主体であるかどうかを問わず、同一の製品に関し相前後又は同一日に二件以上の同一又は類似の意匠を出願した場合は、すべて権利の重複付与に属することになる。 本件において、科万公司は同一日に同一の製品に関し5件の類似意匠を出願した。専利法第三十一条第二項の単一性に関わる規定によれば、科万公司の5件の意匠出願は単一性の規定に合致せず一件の意匠として出願することができず、5件の異なる意匠としてしか出願できない。しかし、専利復審委員会及び原審法院は、専利法実施細則第十三条第一項及び「審査指南」の規定に基づき、科万公司の5件の類似する意匠は権利の重複付与となると認定し、該5件の意匠権をすべて無効とした。こうしたやり方は著しく公平を欠く。出願人の発明創造が関連の法律規定に合致し、かつ国家の利益、社会公共の利益及び他人の合法的権益を犯しさえしなければ、保護が与えられるべきである。実際に、出願人がその意匠権の保護範囲を拡大して他人からの模倣を防ぐため、また、異なる消費者の需要に応え競争優位性を高めるため、同一日に同一の製品に関し二以上の類似の意匠を出願することは往々にして存在する。こうしたやり方は法律の禁ずるところでなく、国家の利益、社会公共の利益及び他人の合法的権益をも犯しておらず、また専利法及びその実施細則の「発明創造を奨励し科学技術の革新と進歩を促進する」という立法の趣旨にも合致するので、これを認めるべきである。 意匠に関し、「審査指南」は「同様の意匠とは、二つの意匠が同一又は類似であることを指す」と規定している。本院は次のように考える。異なる主体が同一製品に関し二以上の類似する意匠を出願する時、及び、同一主体が相前後して同一製品に関し二以上の類似する意匠を出願する時、「審査指南」の前記規定に不適切の所はない。しかし、同一主体が同一の製品に関し同一日に二以上の類似する意匠を出願する時、「審査指南」の前記規定は明らかに専利法及びその実施細則の立法趣旨に合致しない。このような状況において、「同様の意匠」は意匠の同一とのみ解すべきであって、類似の場合を含むべきではない。専利復審委員会が専利法実施細則第十三条の権利の重複付与に関する規定に基づき本意匠権を無効としたのは、法律の理解と適用に誤りがある。原審判決の無効審決維持もまた不当であり、本院はこれを改める。上訴における上訴人科万公司の「本意匠とその他4件の類似する意匠は権利の重複付与には当たらない」との主張には法的根拠があり、本院はこれを支持する。 以上の通り、上訴人科万公司の上訴理由は成立し、本院はこれを支持する。専利復審委員会第7859号審決は法律の適用に誤りがあり、取り消すべきである。原審判決は法律の適用に誤りがあり、判決を改めなければならない。従って、「中華人民共和国行政訴訟法」第六十一条第一項第(二)項の規定に則り、以下の通り判決する。 一.北京市第一中級人民法院の(2006)一中行初字第539号行政判決を取り消す。 二.国家知識産権局専利復審委員会の第7859号無効審決を取り消す。 三.名称を「染色機(K)」、登録番号を02333398.7とする意匠権の有効性を維持する。 一審の事件受理費1000元は、国家知識産権局専利復審委員会が負担する(本判決の効力発生の日から七日内に納付する)。二審の事件受理費1000元は、国家知識産権局専利復審委員会が負担する(本判決の効力発生の日から七日内に納付する)。 本判決は最終判決である。 裁 判 長 劉継祥 代理裁判官 劉暁軍 代理裁判官 焦 彦 二○○七 年 四 月 二十五 日 書 記 官 畢 怡
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
Copyright 2002 CSPTAL Japan Office All
Rights Reserved
|